第9回日本病院総合診療医学会学術総会開催にあたって
皆さんは群馬県高崎市というと一体何を思い浮かべるでしょうか。関東地方にお住まいの方ならまだしも、他の地域の方々にはあまりなじみのない地方都市と思われます。少林山達磨寺の「だるま市」、上州名物「かかあ天下とからっ風」、上毛三山「赤城山、榛名山、妙義山」、人気温泉地「草津温泉、伊香保温泉」などが挙がるでしょうか。高崎市は関東平野西北の角にある地方都市であり、新幹線を使えば東京駅からちょうど1時間で到着致します。この度第9回日本病院総合診療医学会学術集会の会長を拝命し、平成26年9月19日(金)、20日(土)の両日、高崎市シティギャラリーにおきまして皆様方と共に学術総会を開催させて頂きます。
日本病院総合診療医学会は平成21年に発足しており、今までに福岡、仙台、東京、岡山、横浜、岐阜、広島、大阪など概ね大都市圏において総会を重ねて参りました。この度は地方都市である高崎での開催であることから、本総会のテーマとして「地域医療と病院総合診療」とさせて頂きました。超高齢社会に対応するべく、地域医療への国民的期待を背景に、現在に至るまで総合診療に纏わる多くの議論がこの国においては10年以上、多くの医療者、有識者そして国民によってなされてきました。2017年施行予定であります新専門医制度において、総合診療が基本領域の1専門領域として認定されたことは、総合診療の必要性と重要性が広く国民に認識されたことと受け止められ、総合診療を志す若手医師を大いに勇気づけるものであると考えております。保険診療との充分な整合性のみならず、国民の求める総合診療とは、総合と言う言葉の示す許容性を充分に担保し、的確かつ迅速に人々を広く疾病から守る医療でなければならないと考えております。そのためには地域の人々のニーズに充分に応えることの出来る地域診療提供体制、そしてこれを遂行する医師の育成が求められます。今回の学術総会ではこの地域医療を舞台に展開される病院総合診療、そして総合診療医に焦点を合わせ、その在り方について皆様方の活発な議論をいただきたいと思います。皆様方のご参加を心よりお待ちしております。高崎でお会いましょう。
平成26年3月吉日
第9回日本病院総合診療医学会学術総会
会長 佐藤 正通
独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター 総合診療科 部長