会頭挨拶
この度は、群馬県で伝統ある日本小児皮膚科学会を開催させていただき大変光栄に存じます。副会頭であります石川治皮膚科教授と連携して少しでも魅力のある会にして行きたいと願っております。
本学会については、ご開業されている小児科医から、一般臨床に役立つので、毎年、楽しみにしているとのお声をかけられたことがあります。それを引き継ぐには、最新の医療や最先端の研究報告だけではなく、一般の臨床科医にとっても明日からの診療に結びつくようなプログラム構成を目指して行きたいと考えております。今回のテーマは、子どもの皮膚からみえるもの−macroからmicro−とさせていただきました。実際に臨床の現場で見る子どもの皮膚所見から皮膚疾患あるいは、その基礎にある全身疾患を想定していくプロセスにおいて、ミクロの所見がどのようになっているか?どうしてこの皮膚病変が出現するか?なぜ、この時期に出現するか?どのように病態に関わるか?などを考えながら診療をしていくことは、病気を深く理解し、診断・治療を進めていく上で極めて重要と考え、このテーマを選びました。また、じっくりと皮膚所見や組織像が見られるように、一般演題は、すべてポスター発表と致しました。発表される先生にとっては、ややご面倒をおかけしますが、ぜひ、このような主旨であることをご理解いただき、ご容赦願いたいと存じます。
一方、招請講演としては、「生体内におけるメラニン輸送の可視化と制御機構」 と題し、京都大学大学院理学研究科生物科学専攻動物学系の教授である、高橋淑子先生にご講演をお願い致しました。最先端の研究結果をご講演いただけるものと期待しております。 群馬県の夏は、全国一、二位を争う猛暑で有名です。ぜひ、暑さを体験しに学会においでいただければと思います。学会当日は連休中でもあり、伊香保温泉や榛名山、赤城山も周遊されるのはいかがでしょうか。
荒川 浩一
群馬大学大学院医学系研究科
小児科学 教授