ご挨拶
本年11月23日に、前橋市民文化会館にて第39回東日本小児科学会を群馬地方会がお世話させていただきますことを大変光栄に存じます。
本年は「DevelopmentからTransitionまで -包括する医療を求めて-」をテーマに各分野の小児専門医からの講演をお願いいたしました。近年の小児医療の進歩により多くの命が救われています。しかし、その一方で、原疾患自体が治癒に至らずに慢性疾患として持続したり、合併症や晩期障害が長期に継続したりしながら、思春期、さらには成人期を迎える患者さんも多くなってきています。
わが国では少子化が進む中、一人一人のお子さんを大切にして、将来を担っていく成人にまで育てて行くことは社会的な喫緊の課題です。そのためには、疾患に罹患しないように予防していくこと、適切な医療で罹患しても早々に治癒できるようにすること、さらには、疾患を有したまま成人期に向かう子ども達を支えていく環境を整備していくことも重要となっています。小児期に発症する疾患の病態を明らかにし、その発症や増悪因子を探索し、いかに予防につなげていくかは小児医療に携わる我々小児科医師にとって益々重要となっています。一方、成人移行期医療では、疾患の特性や重症度、合併症や晩期障害の有無、地域性などを考慮した対応、多職種が連携した包括的支援、また社会全体での支援も必要となります。
今回のテーマである「DevelopmentからTransitionまで -包括する医療を求めて-」は、それらを全て包括して欲張り過ぎている感は否めませんが、それぞれの分野でdevelopmentあるいはtransitionに注目した講演をいただき、若手研修医から第一線でご活躍されている先生方にとって、少しでもお役にたつよい機会になればと願っています。
ぜひ多くの方々に御参加いただき、本学会が益々発展していくことを願っております。なお、学会終了翌日の11月24日(月)は振替休日となっています。学会ついでに、世界遺産に登録された富岡製糸場と絹産業遺産群の見学と、のんびり伊香保温泉や榛名山、赤城山を周遊されるのはいかがでしょうか。
第39回東日本小児科学会
会長 荒川 浩一
日本小児科学会群馬地方会会長
群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野教授